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金氏徹平さんと作品「Hard Boiled Daydream(Miyama Park)」。「よそから突然やってきた空想上の見る遊具」だという=2025年4月16日、岡山県玉野市の深山公園、大野宏撮影
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 香川、岡山両県の島や港を舞台にした瀬戸内国際芸術祭は25日まで春会期が開催中だ。玉野市では会場を前回までの宇野港周辺から田井地区や深山公園にも拡大。美術家の金氏徹平さん(46)が現実の風景に違和感を挿入する作品を4カ所で見ることができる。

 宇野港から北へ数キロ、峠のてっぺんの深山公園にはシリーズ「Hard Boiled Daydream」の最新作が置かれた。マンガに描かれた物体を模写して拡大、ステンレス板に貼り付け、彩色して高さ2・3メートルに組み上げた。スケールもタッチもばらばらで、マンガの文脈から切り離された物体は「切断と接続」「現実と空想」などを行き来する。金氏さんは「異世界から突然現れた空想上の見て遊ぶ遊具のイメージです」と説明する。山や草木、現実の公園の遊具などの借景も意識し、「ぜひ周囲を回っていろいろな方向から見て欲しい」という。

 金氏さんは前回2022年の瀬戸芸では玉野競輪場に隣接する日之出公園に「S.F.(Seaside Friction)」を出品。競輪場で以前使われていた椅子やサイン、選手の写真などを使った同作は、現在も見ることができる。今回は宇野港第1突堤にも、何もない空間の穴から液体や人間の手が出てくる「tower(UNO)」を設置した。

 5月からは田井地区で操業す…

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